gangな恋
いや、眼鏡なんてなくても余裕で見えるんだけどね。
つーかクラス中から注目されてんじゃんかよ!!
まじで迷惑な奴だな。
気まずい空気を遮るように――
「んっ…えっ?ちょっと」
いきなり掴まれた手。
大勢の視線を浴びながら、私は斎藤和弥に教室から連れ出された。
まじ意味分からん!!
何考えてんだよ!
「ちょっと!!先輩!!離してくださいっ」
うわ〜みんな見てるってば!!
私は必死に抵抗した。
もちろん本気の力ではないけど――
掴まれた手は簡単に解放されず、私と斎藤和弥は屋上までやって来た。