gangな恋
亜由美が引っ越してすぐ、私は引っ越し先を調べた。
場所が判明するのは難しいことじゃなかった。
「怖かったんだ…」
もし亜由美に後遺症が残ってたら……
もし亜由美が私のことを恨んでいたら……
そう考えると、怖くて怖くて……
自分から行動を起こすことが出来なかったんだ。
「だから…見捨てたも同然なんだよ、亜由美の事」
「…凜」
「……情けないよな、私」
怖いからって、その場でもがいてるだけ。
“総長”が聞いて呆れる…。
「凜」
「ん?」
「……泣けよ」
「………」
―――え?
勢いよく顔を上げた私を、和弥は切なそうな表情で見つめた。