gangな恋
「今日は…お喋りしに来たわけじゃねーよ」
「……だろうな」
「用があるのは司……お前だけだ」
「は?」
司だけでなく、他の連中も目を見開いた。
当然喧嘩するつもりだっただろうから、驚くのも仕方ない。
「私は司を一発殴ればそれでいい」
「何考えてんだリン」
「……ここでお前等を潰したところで、あの時のことが消えるわけじゃねぇ」
過ぎた時間は戻らない。
亜由美が怪我を負ったことも、引っ越したことも…もう取り返すことはできないんだ。
私は司達を見て、笑ってみせた。
「って言っても、お前が素直に殴られるなんて思ってねぇよ。他の奴等も黙ってねぇだろ?」
「…なるほどな」