gangな恋
司の攻撃は私には当たらない。
まず冷静にならねーと、当たるもんも当たらねーし。
それに、司の攻撃…
遅 い ん だ
「よ!っと」
「ぐぁっ……」
私の蹴りが見事腹にヒットして、司は倒れ込んだ。
「あー…ちょっとだけすっきりした。もう終わるか」
「……クソ…っ」
「………」
私は司の前に屈んで、胸倉を掴んだ。
周りはまだやり合ってるけど、私には周りの音が聞こえなかった。
「本音を言えば、こんなんで済ませたくねーよ。…お前等のくだらねぇ考えで、亜由美が…どんだけ傷ついたか分かってんのか!?」
好きな人に裏切られ、大怪我して、卒業式も出れずに……
陸上の特待生の権利も奪われて……
「私にだって非はある」