gangな恋
亜由美は司から目を離すことなく、司の前に立つ。
「本当くだらない……」
亜由美の手は拳を作って、小さく震えていた。
「ムカつく……ムカつく…!!」
「亜由美っ!」
亜由美の拳は、勢い良く司の顔面へと向かった。
司は逃げることなく目を閉じて、私も咄嗟に目を閉じた。
でも、ガツンという痛々しい音は聞こえることはなかった。
変わりに聞こえたのは、
「い゙っ!…てぇ」
司の間の抜けた声。
その声に目を開くと、亜由美は司の頬をつねっていた。