gangな恋
和弥はゴソゴソと袋から飲み物を取り出す。
ペットボトル8本、9、10……って、そんなに?
「何人分だよそれ」
「さぁな。聖剛が買って来いっつうんだよ、…金まで貰ったし」
「へぇ…」
あのバカ…なんて言いながら冷蔵庫に入れていく和弥は、何となく笑ってる様に見えた。
そんな和弥を、私はただぼーっと眺めていた。
「凜、時間大丈夫か?」
「ん?」
「もう皆帰ってるし、凜もそろそろ帰るだろ?」
「あ…、うん」
「……じゃ、帰るか。送る」
冷蔵庫に入れ終わった和弥は、私を先導するように玄関へと再び足を進めた。
私はひょこひょこと後に続く。