gangな恋
でも、和弥は優しいから、ちゃんと受け取るんだろうな。
もしも……
もしももしもっ!
私がチョコをプレゼントしたとしたら、和弥はどんな反応をするんだろうか。
「…ん、凜っ」
「!はっはいっ!」
「家、着いたけど」
「あ」
和弥に言われて顔を上げると、本当に私の家の前だった。
わ…うっわ……
どんだけ考え込んでんだよ私!
なんだかまた恥ずかしくなって、私はぎゅうっと拳を握った。
「じゃ、風邪ひくなよ」
「ぁ…」
「またな」
整った顔をくしゃっと綻ばせて、和弥は背中を向けて歩き出した。
不意打ちの笑顔にまた心臓が騒ぎ立てる。
目に映るのは離れていく和弥の背中―――
「…っ……和弥!!」