gangな恋
あの日、麻衣ちゃんを助けたのは、運命だったのかな?
途中で夏帆のバイクを降りたのも、あの日に集まりがあったことも。
和弥に出会って、好きになるためだったのかな…。
でも―――
「和弥、お返しはいらないから。明日いっぱいもらうんだし、大変だろ?」
これが精一杯。
我ながら、可愛さのかけらもない。
恋愛初心者の私にとって、和弥はハードルが高すぎる。
「ばーか、お前が決めるな」
今はまだ無理。
今は無理だけど、
「ばかはそっちだ、ばーか」
いつか和弥に、『好き』って伝えられたらいいな。
【完】