雨音色
「・・・タマ」
「はい?」
二人がベッドの上に腰掛けた。
「・・・お父様に伝えといて。幸花はまたお会いしたいと言っていたって」
「はい。承知いたしました」
タマは吹き出すのをこらえるのに必死だった。
「誤解しないで。
ただ、面白い方だからまたお話しを聞きたいだけ。
助教授だからお話もお上手なの。
それに私の好きな画家も知ってらっしゃったし。
新しい西洋音楽についても勉強したいし・・・」
幸花が早口で話し出す。
いつになく雄弁な彼女を、タマが落ち着かせる。
「はいはい。今度お会いになる時も、タマが綺麗にして差し上げますよ」
「・・・ありがとう・・・」
溜息にも似た呟きが、彼女の口から零れ落ちる。
「もうお休みなさいませ」
タマが立ち上がった。
「お休みなさい」
薄いブランケットを幸花の上に掛けた。
彼女が目を閉じる。
気のせいか、その口端はいつもより少し上にあがっていた。
「はい?」
二人がベッドの上に腰掛けた。
「・・・お父様に伝えといて。幸花はまたお会いしたいと言っていたって」
「はい。承知いたしました」
タマは吹き出すのをこらえるのに必死だった。
「誤解しないで。
ただ、面白い方だからまたお話しを聞きたいだけ。
助教授だからお話もお上手なの。
それに私の好きな画家も知ってらっしゃったし。
新しい西洋音楽についても勉強したいし・・・」
幸花が早口で話し出す。
いつになく雄弁な彼女を、タマが落ち着かせる。
「はいはい。今度お会いになる時も、タマが綺麗にして差し上げますよ」
「・・・ありがとう・・・」
溜息にも似た呟きが、彼女の口から零れ落ちる。
「もうお休みなさいませ」
タマが立ち上がった。
「お休みなさい」
薄いブランケットを幸花の上に掛けた。
彼女が目を閉じる。
気のせいか、その口端はいつもより少し上にあがっていた。