光~HIKARI~

「そうか…奏、奏を板挟みにさせてごめんな。パパもなるべく早く仕事探すから。 もうちょっと待っててな。」


「うん。大丈夫だよ。きっと見つかるから。信じよう! 」


「そうだな。今日は、ゆっくり休みなさい。お休み。


「お休み。」


それから、奏は一人で考えた。
ママの不倫のこと。ママの居場所。パパに言うべきなのか。パパの大変さをわからないのは、わかってあげないのは何故か。自分だけ逃げていること。自分の非を認めないこと。こんなに努力して、毎日毎日書類を書いては提出して、それでもダメな再就職のこと。 この時からママに対して、憎しみという感情が生まれた。

考えているうちに眠気がきていつのまにか眠ってしまった。



起きると、幾分か気分がよかった。
もぅ泣かない。そう心に決めた!
奏が泣いても何も変わらないもんね。
大丈夫。


休みの2日は、のんびり過ごした。

お昼位に起きて、パパと食事をして、ハローワークに行くパパを見送り、音楽を聞きながら夕食の献立を考える。


時間はゆっくり流れていた。



そのうち、萌が学校から帰ってくる。

今日から少しずつ一緒に夕食の支度をしよう。なんて考えていた。
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