光~HIKARI~
4月
桜も散るそんなころ。
いろんな花が、花を咲かすそんなころ。
学校は始まっていた。
奏は、家から出なかった。
奏は、ご飯を食べることなく、ただ一人、家でボーっとしているだけ。
時間がなんとなくすぎるだけ。
そんな奏に手を差し伸べてきた人もいた。
「奏、どこか遊びにいこうよ」
「今日、奏のうちにいくよ」
そうやって言ってくれていた、哲弥。
哲弥は、奏の病気を理解しようとしていた。
なるべく、外に連れ出そうといろんな事を提案した。
そんな、哲弥に心を許し始めていた。
この人なら、わかってくれるのかもしれない。
そんな期待も少しあったんだと思う。