光~HIKARI~

6月

選抜授業の発表まで一ヶ月。
学校からも帰りが遅くなる。
毎日クタクタで帰宅すると十時を過ぎていた。

奏はこの頃から、食欲を失い始めた。

自分の勉強をするのも嫌になり、学校に行くだけで精一杯だった。


学校にいけば、友達とランチを食べたり、お喋りするのが楽しかった。


「奏ー?ランチどこいく?」

同じ選抜授業のメンバーの七瀬とランチの話をする。

「んーじゃあ、近くのパスタはどぉ?」


そして二人は学校の近くにあるパスタ屋さんに向かった。


いつも授業の事、お互いの恋愛について話していた。

いつも通り、学校の事、彼氏の話をして笑いあった。

そんななか、七瀬が、

「奏、最近食べてるの?なんか痩せたよ?なんかあればちゃんといいなよ!」


この一言で奏は、話そうか迷ってしまった。まず、気付いてくれた事に嬉しかったし、悩んでいたことには変わりないから…



「奏のうち、パパの会社が倒産して、今ママも外泊ぎみなんだ。実際、仕送りもないの。でも大丈夫だから!ありがとう。」
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