光~HIKARI~


そんな気持ちを哲弥に話すことはなかった。


家に哲弥がきても、何でか、落ち着かない。
睡眠薬を飲んでも効かない。

イライラする。
薬を飲みたい・・・そして、ここに姿がなくなればいい。
そして、奏は薬を取り出す。

見張っている哲弥の目を盗んで・・・

プチプチ・・・

その音に哲弥は気づいた。

「奏!!!」
奏の持っている薬を取ろうとする哲弥。

「うるさい!!!死なせて!!!」

力ずくで、奏を押さえる。

その瞬間、哲弥の腕が、奏の首を絞める。

殺される・・・パニックに陥った。
このまま、殺される。

殺されてもいいや。
むしろ、殺して・・・
そう思った。


そのあと、どうなったかは覚えていない。


この頃は、食事に対して、興味が全くなかった。
仕方なく、外で食べても、家に着けばトイレに行って全て吐いてしまう。
体が、食べ物を受け付けない。

< 61 / 85 >

この作品をシェア

pagetop