光~HIKARI~
苦しくって、吐き気がひどい。
食欲もなかった。
でも、食べなくちゃ!!!

「気持ちの問題よ!!具合なんて悪くないし!!」
そう思った。

涼は、そんな奏に優しくて、いつも気にかけていた。
「奏、調子はどう??俺、奏の飲んでいた薬、調べたんだ。体にすごく害のある薬みたいで、薬を断つと、すごく激しい禁断症状がでるみたいなんだよ。でも、きっと、そのうち、楽になると思うから。」


涼は、ほんとに奏の小さな変化も見逃さなかった。

奏は毎日、薬の副作用に耐えた。吐きたくてたまらなくなっても、けして吐くことはなかった。
頭も痛いし、フラフラする感じも気にしないようにしていた。
「自力で、戦ってやる」

そんな思いでいっぱいだった。



そんな症状も2週間もすればなくなった。

奏は、涼の友達と遊ぶことが多くなった。
みんなでバーベキューをしたり、カラオケに行ったり、夕食に行ったり。
とにかく、外に出る事が多くなった。

涼の友達には、いつも質問攻めだった。

「奏ちゃん、涼のどこがいいのぉ??」
「どっちから付き合おうって言ったの??」

「あ、奏です」
「え??うっそぉ!!!奏ちゃん、ぶっちゃけ、あいつのどこがいいの??」
「奏、たくさん助けてもらってます。すごく大人な考えをもってるところに惹かれました」
「意外!!!!」

みんな口をそろえて言う。


「おいおい、やめてくれよ・・・恥ずかしいなぁ」
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