私たちの半年間に題名をつけるなら…

学校で先輩に会うたび

胸が苦しかった。


先輩は普通に私を避けることなく

《学校の先輩》として

私に接してきた。


廊下で私を見つけると
わざとらしくぶつかってくるんだよ。


ビックリした?って…
無邪気な笑顔のままで…。


先輩の笑顔、見たくなかった。


先輩の声、聞きたくなかった。



私と先輩の教室は

同じ階の二個先だから…


授業中、先輩の大きな笑い声が

嫌でも聞こえてくるんだよ。



おかげで私は

なかなか先輩を忘れられないでいた。


竜也に約束したのに…。



だから竜也との会話の中でも

先輩の話題を出すことが

多くなっていたね。


竜也はどんな気持ちで

私の話しを聞いていてくれてたの?


竜也は言ってくれた。


「先輩の話しとか

どんどん出していいよ。

俺もみほの話し聞いてると

楽しいしな。

だから〜我慢すんな。」



竜也も十分、苦しかったよね。

それが竜也の精一杯の

強がりだったこと…

気づいてあげられなくて

本当にごめんね。



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