黒の世界
「怪我したのはここだけ?」
「…はい。ありがとうございます」
「やめてよ…。いつでも頼っていいっていったでしょ」
いつも自由気ままに生きるこの世界の人達は、悩みなんてないと思っていた。
でもそれは違っていて、様々な感情の中で生まれた複雑な関係によって彼等もまた、それぞれの思いを抱えている。
「ナナ!!」
ソウキの声がしたと思ったら、抱きしめられていた。
「…わりぃ…」
「ソウキ、謝らないで」