心の中の宝物
隅で顔を覆って泣いていると誰かが前に座った。



「髪の色変わってるから一瞬わからなかったよ。」


愛しい人の声。



その人は私の髪を優しく触る。



「先生。」


何だか先生の顔を見ると安心する。

せっかく今日おめかししてきたのに泣いたからぐちゃぐちゃだ。


「とりあえず学校に行こう。」



先生は私の肩を持って立たした。



「大丈夫だからな。」




先生は学校に着くまでずっとそう言い続けてくれた。




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