心の中の宝物

｢先生私･･･。｣


｢あなた38度も熱があって倒れたのよ。斉藤君がここまで運んでくれたの。後でお礼言っときなさいよ。｣

｢うん。｣


コウちゃんは本当優しいね。


って、え？

運んだってもしかしてお姫様だっこ？

恥ずかし･･･


｢夢梨さん。もう帰りなさいよ。｣

｢え～いるよ。｣

｢だーめ!熱があるのよ？｣

｢大丈夫だって･･･。｣

｢命令よ。帰りなさい!｣

｢･･･わかったよ。｣


迫力負け。


帰りたくないなー


｢じゃあ、担任の先生に連絡するわね。｣

｢いいよ。自分で行く。どうせ暇だし･･･。｣


あんま早く家に帰りたくない。


｢じゃあ、ちゃんと言って早く帰るのよ？｣

｢はーい。｣


私は重たい体を起こして
保健室を後にした。