心の中の宝物


「こんなとこにいたんかよ。」

え?


私とみなみが振り向くと武とコウちゃんが呆れた顔をして立っている。


「もう昼休だよ。」

「もう?」


早かったなー


もっと話したい!



「俺らがどんだけ大変だったか知らないだろ。」

「何が?」

「武もういいだろ。仲直りしたみたいだし。」


コウちゃんは私とみなみの繋がれた手を見て言った。

どちらからともなく繋がれた手。



「いろいろお騒がせしました。」



私はぺこっとお辞儀した。


私行かなきゃ。


「ちょっと行ってくる!」

「どこに?」

「数学準備室。」


私は行きながら言ったから聞こえたかはわからない。

でもみなみのいってらっしゃいっと言う声が聞こえた気がする。



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