心の中の宝物
―次の日


「あっつー!!!」

私は床の暑さに目を覚ました。

亜美が帰ってきた形跡はない。


亜美は何をしてるの?


「今何時だろう。」

携帯の画面を見ると10時だった。

着信履歴が100件にも上っている。

家族・先生・みなみ・武・コウちゃん・シンとかからも来ていた。


「やっば。」

私は誰にも言ってなかった事に気づいた。

昨日は夢中で・・・

とりあえずお母さんには何日か帰らないとメールした。

そしてみなみもメールを送る。


送信:みなみ
心配かけてごめんね。
寝坊しちゃった。(笑)
私ちょっと亜美を探す旅に出るから
少し学校休むけど
見つけたら行くから
心配しないでね★
武とコウちゃんにも言っといて!

後はシンと先生。

私は簡単なほうから電話した。

ぷるる♪ぷるる♪

あれ?

出ない・・・

寝てるのかな?


ぷるる♪ぷる・・・ブ

「はーい。シンですよ?どちら様で?」

明らかに寝ぼけてる声。


「桜だけど寝てた・・・よね?」

「うぇ。桜ちん!?お前どこいるのさ。みんな心配してるよ?」

「ごめん。私亜美を信じて待つ事にした。なんかそう決めたら体が勝手に動いちゃってさ。見つかったらまた電話するから。じゃあね。」

「え?ど・・・」

私は話の途中で電話を切った。

居場所を見つけられるのは嫌だったから。

私は一人で待ちたい!

< 151 / 187 >

この作品をシェア

pagetop