心の中の宝物
「夢梨さん?」

「はい!」

私は学校の主席より大きく返事をした。

先生はクスと笑う。

「わかったよ。夢梨さんがそこまで言うならさ。でも今どこにいるんだ?」

「それは言えない。だって言ったら先生来そうだもん。」

「なっ!行かないって。」

「どうだか。引っ張って連れて帰りそう。前みたいにさ。」


あの時からなんだよね。

私が先生の事好きになったのは・・・

でもさー

こうやって電話したりするのって私だけなんだよね?

先生にとって私が一番の生徒だと思っていいのかな?


「前って・・・あれとこれとは違うだろ。」

「はい。そうでしたー」


キーンコーンカーンコーン♪キンコンカンコーン♪

電話からチャイムの音が聞こえた。


「あ!じゃあ俺次授業だから。」

「うん。なんか問題児でごめんね。」

「本当だよ。この件が終わったら休む事を禁止するからな。」

「え~~~~~!!!それは嫌。」

「じゃあちゃんと授業受けるように。補習は夏休みみっちりやるからな。じゃあ。頑張るんだよ?」

「うん。ばいばい。」


補習はみっちりって・・・

私先生に毎日会えるの?

それだったら私全然嫌じゃない。


私の気持ちはすごく大きくなっていた。



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