心の中の宝物
「ここはこうであるからー・・・」
入りづらいな。
―がらっ―
私は後ろのドアから静かに入った。
みんなの視線がいっきに集中する。
「夢梨大丈夫か?」
「あ、はい。でも帰ります。」
「そうか。早く治せよ。じゃあ他の人は授業に集中するように。」
私は後ろから鞄を取って自分の席に行く。
「桜、大丈夫?」
「うん。ありがとうね。」
「はよ治せよ。」
「武、おはよう。」
「なんだよ。それ・・・」
桜たちは静かに笑う。
「じゃあね。」
そう言ってドアに向かう時コウちゃんと目があった。
口パクで『ありがとう』って言った。
わかったかな?
教室から広い廊下に出て私は念のためコウちゃんにメールした。
送信:コウちゃん
授業中にごめんね。
今日は保健室まで連れてってくれてありがとう♪
また明日~
ピロリロリン♪
「はやっ!」
受信:コウちゃん
桜が熱出すって久し振りだな。
今日はゆっくり休むんだよ。
またな☆
コウちゃん授業中なのに嬉しい♪
みんなに心配かけたくないし
早く治さなきゃ。