心の中の宝物
あの倒れた日に見た夢は最後に私に希望を見せてくれたんだね。

今まで我慢していた涙が溢れてきた。

「ぅ、ぅ・・・・・うわーん。」

もう嫌だよ。

あんなんでも私の家族だったのに・・・

全部、全部なくなっちゃった。

こうなるならもっとわがままになれば良かった。

自分の気持ちを正直に言えば良かった。


私は近くの公園のブランコで声を出して泣いた。


「大丈夫?」

目の前にハンカチが差し出された。

え?

急に離しかけられて涙でぐちゃぐちゃの顔のまま声を掛けてくれた人を見た。

金髪でギャルの綺麗な女の子が立っている。


これが高橋亜美との出会いだった。

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