心の中の宝物
「だっるー」

「ねー」

「学校終わったらどっか行かん?」

「おっ!いいね~」

武の意見にみんなが賛成する。

私たちは校長先生の長い話もそっちのけでこの後の予定をたてる。

てか、真剣に聞いてる人っているの?

ふと疑問に思い、辺りを見渡すけど誰一人真剣に聞いてる人はいなかった。


「どこ行く?」

「アイス食べた~い♪」

「みなみ、まだ寒いって。」

「コウちゃんはおじさんだねー」

「おい!」

「あはははは。」


「それでは、三年の先生を紹介します。」

しーん

今まで喋っていた私たちも周りの皆も一気に静まり返った。

担任が誰であるかで私たちの一年間が決まる。

一番怖い山本先生にでもなったら・・・。

こっわ・・・。

どきどきする。


「三年一組の担任はー」

どきどき

「今年から来た。神崎先生です!」

神崎先生と言う人はぺこっと頭を下げる。

『うわ~』

一組の皆が騒ぎ出す。

「やったね。」

「でも、怖いかもやん。」

「大丈夫だって。優しそうな顔してるじゃん。」

「コウちゃんはそういうとこうといからねー」

「どういう意味だよ。」

「あはははは。」

今日は本当に幸せな一日だね。



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