心の中の宝物
「夢梨さん、何があった?どうしてこんなに変わっちゃったんだ?」

私は答えない。

今声を出すと涙が出る。

先生の前では泣きたくなかった。

「みんな心配してたんだぞ。家にも誰もいないし・・・」

いるわけないじゃん。

親は私がどこにいようと関係ない。

ただ通帳にお金が振り込まれるだけ・・・


私の目からは涙が溢れてきた。

泣いたらだめ泣いたら・・・

でも

抑えきれなかった。

「え?おい・・・」

先生は私の涙に気付き背中を撫でてくれた。


「辛かったんだな。」


何度も何度も撫でてくれた。

私の目からは涙がいっぱい出てくる。


「先生・・・!!!」

とうとう私は先生に抱きついて大泣きした。


先生は私が泣き止むまでずっと頭を撫でてくれ、胸を貸してくれたんだ。
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