月華に散りゆく者達
「俺は逃げない」

 南条が倒れながら言う 

「なっ!もう気が付いたのかよ!」

 総司が驚き言う 

「最初に言ったように俺は剣士だ!剣士は負けたら逃げない、言い訳はしない!それが真の姿だ!俺はそんな剣士だ!ただもう少し休ませてくれ!まだ立って歩けそうにない」

 南条が言う 

「へっ!誰が敵さんの言う事信用するかよ!」

 勇が言う 

「近藤!俺は信用する!だから縄は使わない!」

 そう言うと出した縄をまた袋にしまう総司 

「なっ!総司!」

 勇が驚く 

「逃げそうになったらまた倒せば良い!南条も相当な傷を
負ってるから簡単には逃げられないよ」

 総司が言う 

「信じてくれてありがとう総司君」 

 南条がお礼を言う 

「良いさ、ただし吐ける事は吐けよ!」

 総司が返す 

「一つ頼みがある」

 南条が言う 

「何だ?」

 総司が聞く 

「この村は団子が美味しいと聞いてきた、任務終了したら食べて帰ろうと思っていた、組織に行く前に食べさせてはくれないか?」

 南条が言う
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