気まぐれな恋愛

「私の事、昔振ったよね」


じっと見つめてきて呟いた、
その表情に見覚えがあった。


「外見変えなかったら
振り向いてもらえないんだって
よくわかった」


一度だけ。
俺の苦手なタイプの子に告白された事があった。

相手の心を読むかのように
じっと見つめる瞳の大きい子。

あの、なんとも言えない目力が
俺は苦手で。


『俺のタイプじゃないわ、あんた』


唯一、素で振った女だった。



「あんた…知っててなんで俺に…」

「確かめたかったって、さっき言ったよ」

「じゃあ、好きって…」

「外見で判断するのって何か寂しいよね、
本性見せたらみんな逃げるよね」

そう言って楽しそうに笑った彼女に
俺の心臓が激しく反応した。
< 4 / 6 >

この作品をシェア

pagetop