濡れた体温ごと奪って-Ⅱ-
翔ちゃんに…知らせなきゃ…。
私は、犯人達の死角になる陳列棚に隠れて翔ちゃんの携帯を鳴らした。
翔ちゃん出るかな…。
お願いだから…出て…。
『紗耶。どうした』
「翔ちゃん…今近くのデパートにいるんだけど…一階で銃を持った三人の男が…」
『…なに。立て篭もりか』
「う、うん…」
―――キャアァー!!―――
銃声と共に叫び声がこだまして、陳列棚から覗くと血を流して倒れてる人が見えた。