濡れた体温ごと奪って-Ⅱ-


「紗耶っ!!頑張るんだ!!紗耶っ!!紗耶っ!!」


「竜崎、乗ってけ」




隊長は俺の握っていた銃を取り、救急車へ乗る様に促した。


迷わず救急車に乗り込み、微かにしか息をしていない紗耶の手を握り締めた。


どうか…助かってくれ…。


紗耶…頼む…頑張ってくれ…。


俺がずっと傍にいるから…頑張ってくれ…。


紗耶…頑張ってくれ。



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