濡れた体温ごと奪って-Ⅱ-
紗耶の母親が駆け付けて来て少しして、手術室から医者が出て来た。
俺の心拍数が上昇する。
「紗耶は…?」
「手術は成功しました。幸い、銃弾が着ていたワンピースのベルトの金具を先に貫通してた為、内臓への貫通はしていませんでした」
「……紗耶…よかった…」
「ただ、まだ油断は禁物です。後は本人の生命力次第です」
「…そうですか」
手術室から紗耶が出て来て、その顔を見た時、ホッとした。
ここへ来る前よりも、顔色がよくなってたからな。