濡れた体温ごと奪って-Ⅱ-
『紗耶。悪い。今夜急な仕事が入ってな。帰れるかわからねぇんだ』
「そうなんだ。夜仕事って、緊急事態か何かなの?」
『ああ。一仕事して来るな。仕事終わったらすぐ帰るな』
「うん。わかった。お仕事頑張ってね。無理しないでね」
『ありがとうな。部屋の戸締まりしっかりしとく様にな。じゃあな』
電話が切れてしまった。
翔ちゃんなんか、慌ただしかったな。
いつもの落ち着いた翔ちゃんじゃなかった…大丈夫かな。