濡れた体温ごと奪って-Ⅱ-


涙で視界が歪んで最初の一歩が中々踏み出せなくて…。


皆に祝福して貰える事が、こんなにも素敵で温かい事だったなんて…初めて知った。


隣ではお母さんも泣いていて…チャペル内ではママが泣いていて。


とても…感動的で…。




「新婦様。どうぞ前へ」


「…は、はい」




愛する翔ちゃんへと視線を向けると、翔ちゃんは微笑み見守ってくれてる。


私はゆっくり一歩を踏み出し、ゆっくり翔ちゃんへと向かって歩いた。



< 247 / 256 >

この作品をシェア

pagetop