濡れた体温ごと奪って-Ⅱ-
「あ、ありがとう」
「しかしさっきは顔面蒼白で、凄い顔してたな」
「だだ、だってー。魚見たりするのは好きなんだけど、さすがに足に当たるのとかは嫌だもん」
「そうか。なら、浅瀬で遊ぶか」
翔ちゃんが浅瀬まで連れて来てくれたから、もう安心だよね。
「翔ちゃん、浅瀬で遊ぶのとかつまらないんじゃない?泳いで来てくれていいよ」
「…お前が居ればつまんなくねぇよ。そんな気を使う奴には……」
「へっ?!な、なに??きゃぁっ」
翔ちゃんは私の両脇へを掴んで持ち上げると、そのままバシャンと軽く放り投げた。