濡れた体温ごと奪って-Ⅱ-
「…また逆ナン?」
「だろうな」
「だろうなって…もぅ、翔ちゃんがカッコ良すぎるからいけないんだよ」
「フッ。なんだそれ。心配するな、お前以外興味ねぇから」
「あたり前だよ。興味あったら、びっくりなんだからねっ」
私、今日は何回口元尖らせてるんだろうか…。
本当、まいっちゃうよ。
「腹減ったな。飯食いに行くか」
「うん」
車に乗ると、翔ちゃんはさっき貰った紙切れを車内のごみ箱へ捨てた。
漸く私の気持ちが落ち着いてきた。
これからはずっと二人っきりだから、声をかけられる心配ないもんね。