濡れた体温ごと奪って-Ⅱ-
「紗耶、大丈夫か?」
「…翔ちゃっ…怖かった…ヒクッ…翔ちゃんの手が…ヒクッ…」
「ああ、これか。少し痛むが問題ねぇよ。心配かけて悪かった」
「…っ…うぅ、んっ…ヒクッ…」
怖かったのとホッとしたので、中々涙がおさまってくれない。
コンビニ店員は救急箱を持ってこっちへ来ると、翔ちゃんの血まみれの手の応急処置をしてる。
こんな時に私何も出来ないなんて…凄く、情けない…。
ごめんね、翔ちゃん…。
ごめんなさい。