濡れた体温ごと奪って-Ⅱ-
「翔ちゃん…病院行く?」
「取り合えず様子見てみて、明日まだ出血してたら行く様にするな」
「今行かなくていいの?」
「ああ。大丈夫だ」
「そっか。運転、私がしてあげたいけど…左ハンドルは……」
「ハハハ。心配するな。ハンドルぐらい片手で握られる。お前は心配する事なんかねぇよ」
「…うん」
私…本当何も出来ないね…。
翔ちゃんが大変な時に、何かしてあげたいのに…何も出来ない自分が悔しい…。
…悔しいよ。