SIREN:新たな物語
始まりの刻
某県神無町は今日は夏祭りがあり盛大な花火が十時まで打ち上げられ町の人々を賑わせていた。
そんな中で橘紗季も五人の友達と共に夏祭りを楽しみ、11時30分まで屋台を転々としてしまい
親から早く帰ってきなさいとメールが届いてようやく家に向かって帰っている
「…ぁあ~…楽しかったぁ~…」
染々と夏祭りの楽しさを思い出しながら外灯に照らされた用水路に併設された歩道を歩きながら言った。
その後携帯を見れば時は既に11:58分と後二分で日付が変わってしまい親に雷を落とされそうで急いで途中から走り出した。
走りながら紗季は考えていた。紗季には今でも頭の片隅に残っている不可解な出来事が一つあった
それはかれこれ三日前に自分宛の差出人不明の封筒が母から渡された。
何の手紙だろうと読んでみたらそこには短文だが禍々しい気に満ちた文が書かれていた。
その意味を理解できないまま、三日過ぎて夏祭りに考えなど吹き飛ばす程に遊んで楽しんだのだがやはり頭に引っ掛かるのか途中から走るのを止めて再び手紙について考えながら視線を前方の闇から自宅の後ろにある裏山にへと目を移せばわが目を疑った。
「…え…??」
裏山の山頂に今までは無かった巨大な鉄塔がありその周りが赤い雲が渦巻いていた。

「…あんなのあったっけ?」
目を右手でこすり再び見れば幻覚などではなく本当に鉄塔が建っていた。
そのまま佇んでいれば急に激しい頭痛に襲われ思わず頭を両手でおさえた。
「いたいっ!!」
悲鳴に似た叫びをあげても誰も来ない
その代わりに地を揺るがす程の大音響のサイレンが鳴り響くのを紗季は聞いた
そのサイレンの音を最後に紗季の意識はぷっつりと切れてその場に倒れ込んでしまった。

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