最強女子はNo.1!?

昔のことを思いだし頬に流れる冷たい"何"か。


紗瞳家に引き取られて、White roseに入ってようやく取り戻すことができた感情。


だけど…涙だけは今まで一度も出たことがなかった。


それが今頃になって………か。


涙を拭い、頭を覚醒させるために洗面所へと向かった。




今は1限目の途中。


あたしは空き教室に入って考え事をしている。


みつ君に…会いたい………。


いや、考え事ってよりは願い事の方が正しいか。


そして…許されないだろうけど、謝りたいんだ。


っていうかこの罪は許されるべきものではない。


もしみつ君が許してくれたとしてもあたしはこの罪を背負って生きていかなければならない。


だから…みんなゴメンね?




あたしは…遠くへ行きます。


紗瞳家、煉弥、萩斗、姜希、拓真、充、笥箕、White roseのみんな、楓、琳………。


こんなあたしに今まで付き合ってくれてありがとう。


ポケットから少しクシャクシャになった退学届けを出した。


意を決して立ち上がり空き教室を後にした。


一粒の涙を残して───…。





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