惚れたあなたは、王子様
ーーーーーーーーーーーーーー
終了式の時も目は彩斗を見てい

る。

離れてから分かった悲しみって

こーゆーことを言うんだね。

そういえば沙紀も言ってたな。

『好きな人ができて、その人と

付き合えたなら。意地でも離す

な』って。

「姫奈?もう終わったよ?」

「ぇ!?ぁ。うん」

「やっぱりおかしいよ?」

「おかしくないよ!」

「そぅ?それならいいけど」

沙紀に八つ当たりした自分がバ

カみたい。

沙紀と2人で体育館を出る時、

彩斗と目が合った。

でも、その隣には。

絶対に離すまいと、詩穂ちゃん

が、彩斗の腕に絡み付いている

『ぷいっ』

と目をそらしたのは私。

泣きたくない。

悔しいから。

夏休みは彩斗といろんなトコい

きたかったなぁ。

考えることは。

彩斗彩斗彩斗ばかり・・・

自分どうかしてる!!

よし!心を入れ替えよう!

彩とのことは忘れよう!!

そう決めた私。

でも、多分無理だろうね。




こうして。


私の一学期は終わった。


始めは嫌がってたけど。


こんなにも数ヶ月で、人の


事を好きになることができ


るんだね。





< 33 / 47 >

この作品をシェア

pagetop