バベル
『あなた方ならどんな手を使っても彼を殺るでしょう。そこに映る男を惨殺してください。私の命令に逆らえば貴方の隣にいる最愛の人が死にますので。』
「さっきの"特殊な仕掛け"、一体どこにあるんです?ここには何もない。」
前嶋が冷静に尋ねる。
『男性は肛門に、女性は膣に致死量より少し多めの化学薬品が入った小さな爆弾が仕掛けられています。こちらにあるスイッチを押せばじわじわと狂いながら死んでいく。』
それはあまりに極悪非道なやり方だった。
人前で恥を晒したくなければ殺せ、と言っているようなものだ。