バベル

Round1

《潤side》


最悪だ。ゲームが始まってしまった。


楓は仕事柄、こういう状況には慣れているが、まさか自分が被害に遭うとは露ほども思っていなかっただろう。


今、俺が考えていること。
それは………



「なぁ、俺らが全員助かる方法思い付いたんだけど。」


それはかなり残虐な殺り方だ。



どんな方法ですか?と笹野が促す。


「動脈の通る部分を集中的にあれで刺す。」


俺の視線の先にはタガーナイフと斧や鎌などの凶器がズラリと並んでいた。


「人間は体内の1/3の血液を失うと死ぬ。動脈のある場所は腿の付け根、手首、首、脇。だけどこれだと10人中3人がやつを殺せず被害が及ぶ。」


「じゃあ全員助からないじゃん!」

楓が俺を咎めるが気にせず続けた。
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