バベル
「落ち着け、楓。残りの3人には心臓、腹部、股間を刺してもらう。股間に至っては切断してもらう。」
ここには睡眠薬、麻酔薬、更には毒薬もそろっているから殺すことは容易だ。
だけど俺らのモラルがそれを許さない。
「バッカじゃないの?!そんなことして許されると思ってんの?!」
声を震わせて伊達優里奈が叫ぶ。
すると青木が
「じゃあお前は隣にいる皆川龍哉が死んでもいいのか?」
伊達は悔しそうに唇を噛む。
「戸倉さん、私と一緒に逃げ口を探してほしいんですけど…。」
楓がすがるような目で戸倉を見つめる。
「井坂さん、残念だけどここにはがっちりと錠がされていて完全な密室なんだよ。」
その言葉に楓は絶望する。