バベル

《優奈side》


あたしは凛さんと青木さんに頼まれて結花さんに近づいた。


凛さんは青木さんの会社の顧問弁護士で知り合いらしかった。

青木は凛さんに結花さんの異変について相談していた。彼女から解放された喜びのような雰囲気を感じたという。

この状況でそんな気分になるなんておかしい。
彼女をマークしろということだった。

そしてコンシェルジュのビジネススマイルを駆使して彼女を安心させて信頼を得る。そして真の目的を知る。いわばスパイに抜擢されたようだった。


彼女にあたしが話したことは凛さんと青木さんに吹き込まれたことだ。


だけどあの言葉は嘘ではない。青木さんの会社のクライアントに真船がいたというのだ。


したがって凛さんとも顔を合わせたことがあるらしい。

不可解なことばかりだ。

真也にも後で真船について話すつもりだ。