バベル


龍哉の両親から聞いた話によると龍哉が仕事に打ち込み始めたのは笹野結花との婚約が決まってからだという。

結花の夫として一人前になるよう必死だったみたいだ。
しかし働いているうちに大きな仕事が増えて結花よりも仕事が大事になり、結花が重荷になった。

しかし婚約解消の申し訳なさが返って心の負担となり、ある時過労で倒れたと共に、記憶も虫食い状態になったらしい。

彼が倒れる直前、あたしは兄の紹介で彼に出会った。
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