バベル


いつも追跡調査する
犯人を真似る。


ただ夢中にイメージした。


だから、気付いたら
手が真っ赤で、恐ろしくて何も言わずに立ち尽くした。



私、戸倉に捕まるの?


事務所に追われるの?


今、私何したの?


後悔の念が押し寄せる。


「潤!!私、今何したの?
私、戸倉さんに捕まえられるの?なんで、こんな…。」


「楓、大丈夫だよ。お前は悪くない。」


でも、でも…!!


私は再びナイフを手にとった。


「楓!!お前、それ貸せ!!」


「やだ!離して!!」

「お前が死んだら、どうなると思う?残された俺達はどうしたらいい?」

「戸倉さんがいるじゃない!!私が居なくても」

「俺の気持ち考えろよ!」









パァン!


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