バベル
《楓side》
あたしは潤を呼び出した。
「どうしたんだよ?」と急かす潤を武器倉庫へと連れて行く。
「潤、あんた狙われてる。」
「は?」
「多分織田さんも危ない。」
「何で?」
「皆川だよ。アイツの目の色が変わったのわからない?」
「―…長年の探偵の勘、か。信じるよ。楓、お前あからさまなとこあるから、気付けろよ?」
わかってる。
きっと潤はわかってるんだ。
だけど、ごめんね?
今のあたしは潤が知ってる《楓》じゃないの。
そろそろ薬が効いてくる頃かな?
安斎先生、あたしのこと認めてくれるよね?
先生楽しいよ、今。
みんな全然わかってないし。
これだけ芝居ができたら
あたし女優目指せるかな?なんてね。