バベル
もうひとつ対策として彼女の手首を切る。

自殺とみなされるだろう。

あたしにもそれ相応の覚悟くらい出来ている。


―――
「皆さん、
ご飯出来ましたよ。」

「こんな状況で、呑気に食事なんてできるわけないでしょ。」

覇気のない声で凛が言う。

「真也は食えよ。
昨日熱あったんだから。」
「そうですよ。皆さんも食べないままだと体調崩しますから…」

「せっかく2人とも作ってくれたんだしね。」

優奈をフォローするように凜が言う。

「俺も。」

潤を含め6人で
食事することになった。


「こんなときに
よく仲良くやってられるのね。」


結花が呆れたように呟く。


「こんなとき、だからじゃない?」


龍哉は言った。


「こんなときだから、
みんなそれぞれを守るために、こうしてるんでしょ。」

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