バベル
γ
本音
「凪は、織田さんと仲良くしてたから…私は邪魔者だった。」
凪は何も言わずに
凜の目を見ていた。
「最初はね、
青木さんとは
仕事で一緒だったから
いろいろ話してたけど、」
凜は訴えるように凪を見つめた。
「でも凪は…
何も言ってくれなかった。
嫉妬してほしかったのに…」
「俺はさ、
凜の仕事は事務所に男性もいて
顧問会社にだって男はいるから…って、割り切ろうって思ってた。」
「でも…!それじゃ不安だった。自分が愛されてる自信もなかった…。」
誰も何も言わず、
ただ 見守っていた。
「だから、
私は青木さんに甘えたの。」
「青木さんは…
わかってたんだと思います。」
今まで黙っていた優奈が言った。