バベル


確かにそうだ。

人の感情ほど、不確かなものはない。


誰かを愛していたはずが

いつの間にか苦しめていたり

些細なことがきっかけで

誰かに裏切れることもある。




みんなそれぞれに
感じるものがあったのだろうか、

黙りこくってしまう者もいれば

すすり泣く音もした。



結花は言った。

「何で、私は
貴方のような人を
愛せなかったのか、
私は、馬鹿です…。」


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