バベル
だったら、
彼には隠さなくても
いいだろう。
「いつ気付いたの?」
何でもない、とでも言うように。
「スピーカーの女の声だよ。」
忘れてはいけない。
彼にも研修生だった日があった。
「安斎先生…だっけ?
あの人、まだ忘れてなかったんだね、俺とお前の秘密。」
「あのことは、
もう秘密じゃないでしょ?
あたし達は全部、受け入れた。」
「本当にそうかな?」
彼は 恐ろしく優しく笑った。
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